開催レポート|適職診断付き・Web業界のお仕事を紹介するオンラインイベント『Web業界の就活 思わず採用したくなる「ポートフォリオ」とは?』|デジタルハリウッドSTUDIO
IT関連及びデジタルコンテンツの人材育成スクール、デジタルハリウッドが運営をする、新しい学びのスタイルを通して多様なライフスタイルを支援し全国へ展開している、Webと動画について学べるラーニングスタジオ『デジタルハリウッドSTUDIO』では、大学生を対象とした、適職診断付き・Web業界のお仕事を紹介するオンラインイベントを開催しました。
昨今の新型コロナウイルスの影響で生活に様々な影響が出ている中、場所にとらわれない新しい働き方を模索し、デジタルハリウッドSTUDIOでスキルを身につける方が増えています。
実際に、上記の理由により、Wスクール(ダブルスクール)でWebデザイナー専攻の受講する大学生や、大学がオンライン授業になったことで、今のうちにスキルを身に着けようと考えている大学生も、ここ最近増えています。
新型コロナウイルスによるライフスタイル全般の変化、大学のオンライン授業化や社会人のリモート勤務へのシフトなどの社会的背景を踏まえ、今回のイベントでは、Web業界にフォーカスし、実際のWeb業界の仕事や新卒採用について、フリーランスクリエイターの久保田涼子氏、株式会社博報堂アイ・スタジオ 新卒採用担当の八島 彩美氏、株式会社グッドパッチ 経営企画室 HRチーム 新卒採用担当の井上 亜優氏にお話をしていただきました。
そのトークイベントの内容を、前編と後編に分けてレポートいたします。
前編のテーマは、『Web業界の就活 思わず採用したくなる「ポートフォリオ」とは?』です。
まずは適職診断から!Web業界人に多い「10の傾向」
イベントの冒頭で簡単な適職診断を実施しました。
次に挙げる項目は、デジタルハリウッドSTUDIOの講師を務める久保田涼子さんが考案した「Web業界の人に多く見られる10項目」です。
あなたはいくつ当てはまりますか?
1. 毎日決まった場所や時間に現場に行くことが苦手だ(ルーティーンワークが苦手だ)。
2. フットワークが軽く、行動派だ。
3. アニメや漫画、映画、絵画、ゲームなど創作物が好きだ。
4. 世の中の常識やルールに時々疑問を持つことがある。
5. 好奇心が旺盛で新しい物・場所が好きだ。
6. 自分の考えを人にだいたい上手く伝えられるほうだ。
7. 人の気持ちを察したり気遣いができたりするほうだ。
8. 初対面の人と会う機会は嫌いではない(コミュニケーション力があるほうだと思う)。
9. 自分のやりたいことやアイデアを持っている。
10. メールや電話のレスポンスは早いほうだ。
すでにWeb業界で働いている参加者から届いたのは、「6つ~8つ当てはまる」「特に5の『好奇心が旺盛で新しい物・場所が好き』という社員が多い」という声でした。
しかし久保田さんによると、少ないからといって悲観する必要は全くない、とのこと。分業性により多種多様な仕事が存在するWeb業界では、自分の性格に合ったポジションで働くことができるそうです。
とはいえ、普段の生活でWebサイトの制作工程を知る機会はほとんどありません。一体どのような職種の人がWeb業界で働いているのでしょうか?
裏側を大公開!一目でわかる「Web制作のワークフロー」
Web業界の仕事とは?と聞かれてよく挙げられるのは「Webデザイナー」や「プログラマー」「エンジニア」などの職種ですが、裏側を覗いてみると多数の仕事が存在します。
Webサイトの制作を受注した場合、サイトの公開までには次の図のように10以上の工程があります。
プロデューサーやプランナー、ディレクターのように、顧客の意向を汲み取る仕事もあれば、HTMLやJavaScriptなどのプログラム言語を書く仕事もあります。
例えば、先ほどの10項目のなかで「6.自分の考えを人にだいたい上手く伝えられるほうだ」に当てはまる人は、ディレクターに向いているかもしれません。
WebサイトのデザインやプログラミングだけがWeb業界の仕事ではないと知っておくだけでも、就職先の選択肢は大きく広がります。
デザイナーの仕事は大変?採用担当者に直接聞いてみた
次は、参加者から届いた質問に採用担当者が答えるコーナーです。
参加者は、株式会社博報堂アイ・スタジオの八島彩美さんと、株式会社グッドパッチの井上亜優さん。
実際に新卒採用を担当している人事のお二人に、本音で答えていただきました。
Q.1 デザイナー職ってどんな仕事? 簡単に教えてください。
井上:デザインと聞くとビジュアル面を想像する人が多いと思いますが、実はデザインは5つの段階に分かれています。ビジュアルは一番上。その下に、骨格、構造、要件、戦略があり、弊社ではすべてまとめてデザインと呼んでいます。プロジェクトチームの一員になったデザイナーは、最下層の戦略から参加しています。
八島:弊社のデザイナーも、社内のプロデューサーやエンジニアなどのスペシャリストとチームを組み、企画を立案しています。大規模な企業サイトや、プロモーションサイト、アプリはもちろん、最近はオンライン上のイベントを企画することもありますよ。
Q.2 「UIデザイナー」「UXデザイナー」というワードをよく聞きますが、どんな仕事ですか?
井上: Webサイトを制作する際、画面に表示するボタンの大きさや位置、フォントなどを考え、ユーザーにとって使いやすくわかりやすい見た目をつくるのが、「UI(ユーザーインターフェイス)デザイナー」です。一方、ユーザーがWebサイトで商品を買う際、「商品の情報に迷わずたどり着き、ストレスなく購入し、到着も早くて満足した」という体験そのものをつくるのが「UX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナー」です。
Q.3 イラストや漫画を描くのが得意です。デザイナーになったら、その能力をいかせますか?
八島:案件によっては、イラストが得意なデザイナーがサイト内の挿絵を描くこともあります。ただ、「イラストレーター」としてイラストのみを請け負う社員がいる、という話はあまり聞かないですね。
Q.4 Webデザイナーは飽和状態だという話を聞いたことがありますが、本当ですか? またデザイナーの将来性についても教えてください。
八島:技術の発達によって、誰でも簡単にスマホやパソコンでデザインができるようになったので、見方によってはデザイナーが飽和状態だと言えるのかもしれません。でも、課題を解決するために目的や手段を考えて、効果的なデザインに落とし込めるデザイナーは一部だと思います。そこを意識してもらえれば、将来性はあるのではないでしょうか。
井上:短期的には、「UIデザイナー」と「UXデザイナー」のニーズがどんどん高まっていくと思います。今後は、そこからさらに職種が細分化するのではないかと予想しています。
気になる「インターンシップ」 選考で重視されるのは?
続いてのQ&Aは、Web業界のインターンシップについて。2問目以降は、引き続き人事担当のお二人とデジタルハリウッドSTUDIO卒業生の奥村奈々さん佐藤沙織さんも参加し、インターンシップ経験者に生の声を聞きました。
Q.1 人事担当の方に質問です。インターンシップに参加するためには、どんな能力が必要ですか?
八島:総合職のインターンシップの場合は、特別なスキルは必要ありません。インターンの書類審査や面接では、志望動機や、弊社のインターンで叶えたいことを重点的に聞きました。
Q.2 インターンシップ経験者の方に質問です。インターンシップに参加した経緯や、大変だったことを教えてください。
奥村:「Wantedly」というアプリで調べて応募しました。私が参加したインターンシップの内容は、エンジニアやマーケター志望の学生と3人1組になり、1週間でWebサービスをつくるというもの。エンジニアから技術的な要望を聞き、マーケターの意向を汲んでデザインを考えるなど困難の連続でしたが、社会人になる前にいい経験ができたと感じています。
佐藤:私も「Wantedly」で調べました。インターンシップで特に鍛えられたのは、デザインを言語化する能力です。チームで一つの仕事に取り組む場合、デザインの意図をメンバーに伝え、共有する必要があります。自分のデザインを言葉にして掘り下げていくことで、ブラッシュアップできるようになりました。
Q.3 インターンシップに参加する際、ポートフォリオは必要でしたか?
佐藤:私が参加した企業では選考の際に必要だったので、誰でも簡単にポートフォリオを作成できるサービス「MATCHBOX(マッチボックス)」を活用しました。選考では、デザイナーになりたい理由や、自分が目指すデザインなど、ポテンシャルに関する質問が多く、そこで熱意を伝えられたから選ばれたのではないかと思っています。
※ポートフォリオについては、後編の記事で詳しく解説しています。
イベントレポートの続き(後編)はこちらからご覧ください。
後編:https://school.dhw.co.jp/school/shinjuku/blog/20210409_2.html