特集はグラフィックの食卓。アイデア「2017年 7月号」6月9日発売

June 12th , 2017

特集:グラフィックの食卓

本特集「グラフィックの食卓」 は,近代グラフィックデザインの文脈にある,食についての,
あるいは食を足がかりにした批評的グラフィック作品をアラカルト的に紹介するものだ。
近年,グローバル化とともに(美食ではなく)文化としての食への関心が高まり,
料理の世界では工学的に料理を捉える発想が深まっている。

またその一方で,アートやデザインの領域でも,食を概念装置としたプロジェクトやワークショップ,印刷物が興隆している。
これらの同時代的動向はそれぞれ独立した物では無く,高山宏の鮮やかなテーブル近代文化論が示したように
「table」 が「板」 から「卓」そして「図表」 となって電子的卓文化(tabletop,desktop,tablet) が生まれていく,
近代の精神史でつながっているように思われるのだ。
そして,デザインと食が食卓(テーブル) を媒介にして,互いにアナロジカルに(類比的に) つながっているグラフィックに,
その構造を読み解く秘密があるのではないだろうか。

本特集は文化的活動とグラフィックデザインの実践のつながりに深い関心を寄せてきたデザイナー,
研究者であるワレン・テイラーとの協働のもとで構想・制作された。
本特集を秩序立てるテーブルは,彼の関心と私の関心,二つの焦点による楕円を描いている。
非西洋圏の事例については機をあらためたいものの,本特集が正円による合理的世界観ではなく,
楕円が象徴する動的で相補的な世界へ開く窓となっていれば幸いである。

企画・構成:ワレン・テイラー,アイデア編集部
文:ワレン・テイラー,野見山桜,イェンス・ミューラー,室賀清徳
翻訳:熱海綾乃,奥田由意,テランス・ヤング,中澤理沙
デザイン:加藤賢策,北岡誠吾(LABORATORIES)

【目次】

1 F. T. マリネッティと 『未来派料理の手引き』
2 レス・メイソンと『エピキュリアン』
3 勝井三雄と『奥様手帖』
4 ジャンニ・サッシと『ラ・ゴーラ』
5 ハーマンミラーのピクニック・ポスター
6 イケアの『Homemade is Best』
7 フード・カルチャー・マガジン
8 カール・ゲルストナーと『アヴァンギャルド・キッチン』
9 トラットリアの日々:食べることのソーシャライズ

【寄稿者】

ワレン・テイラー Warren Taylor
ドミニク・ホフステード Dominic Hofstede
野見山桜 Sakura Nomiyama
イェンス・ミューラー Jens Muller

CHAMP MAGAZINE特別編集 イサマヤ・フレンチ ビューティ・エグゼクティブ

文・デザイン:ジョアンナ・カウェキー(Champ Creative)
インタビュー:モニカ・カウェキー(Champ Creative)
訳:王夏美

イサマヤ・フレンチは現在数多くのビジュアル誌や世界中のイベントに参加し,アート,メイク,
美容の常識を超えた表現によって注目を集めるメイクアップアーティストだ。
そんな彼女は近年「食べられるコスメ」をテーマにした新しいスタイルのパフォーマンス表現に取り組んでいる。
本誌では,特集「グラフィックの食卓」と連動して,メイクアップという身体的なグラフィック表現と食により
新たな表現と感覚を生み出すイサマヤの活動を,イギリスと日本を拠点とする雑誌『CHAMP』の
クリエイティブチームの協力のもと紹介する。

[新連載]アトラス考─生態学的世界観の視覚化

第1回 オットー・ノイラートと『社会と経済』アトラス
文:大田暁雄

近年,情報整理の一手段としてインフォグラフィックスへの関心が高まるなか,その基盤を作った人として知られる
オットー・ノイラートの統計図表が引き合いに出される機会は増した。
しかし,それらは単純に情報を見やすく,わかりやすく伝えるためだけに生まれたものではなく,
見る者が自らの社会を把握し,世界観の形成を促すものとして,教育的観点や思想に基づき考案されたものであった。
そして,その発端には,歴史上作られてきた「主題地図」(何らかの情報を地理的関係性に結びつけて図解化するもの)の
存在があった。
本連載では主題地図を中心とした「アトラス=地図帳」をもとに,人類の歴史の中でいかに視覚的な表現が
人間の世界像を形作ってきたのか,そのためにいかなる視覚化技術が考案され,世界像が描かれたのかに迫る。

[連載]場所のない言葉│Language Without Place

第3回 第二のことが第一に
文:スコット・ジョセフ
訳:山本貴光

[連載]写真と画像の分水嶺

第2回 加納俊輔─写真の写実
文:大山光平

[対談]鈴木一誌×水野祐

ポストインターネット時代の法とデザイン ―知恵蔵裁判からクリエイティブコモンズまで
構成・デザイン:長田年伸

新書体
インフォメーション
ブック
展覧会:「ナルゲ。PaTI」展

Amazon|http://amzn.to/2tb60ZS

出版社|誠文堂新光社; 隔月刊版 (2017/6/9)
発売日|2017/6/9

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