世界一幸せな国・デンマーク人の知恵である「ヒュッゲ」な暮らしとは?

October 27th , 2017

寒さが厳しくなるこれからの季節を、心地よく過ごすためのヒント

今年、日本との国交樹立150周年を迎えたデンマークは、2012年から行われている国際連合の「世界幸福度調査」において、過去3回首位に輝き、常に上位にランクインしています。

「世界一幸福な国民」とも言われるデンマーク人の幸せの秘訣が「ヒュッゲ(Hygge)」にあることが注目され、欧米では関連書籍が多数発行されたりイギリスでは流行語候補に選ばれるなど、「ヒュッゲ」が世界的ブームになりつつあります。

そこで、まだ日本では馴染みのない「ヒュッゲ」について、また日本での「ヒュッゲ」の取り入り方についてご紹介させていただきます。

「ヒュッゲ」とは?

「ヒュッゲ(Hygge)」とは、「幸福」や「心地よい場所や雰囲気」を表すデンマーク独特の概念です。
デンマーク人のDNAの一部と言っても過言ではなく、彼らの人生において欠くことのできない大切な要素です。

具体的には、自宅で家族や友人と食卓を囲んで賑やかに過ごす、キャンドルに光を灯してゆっくり読書をする、ソファで温かいブランケットにくるまって親しい仲間とテレビを観ながらおしゃべりするなど、「温かくてほっこりした時間を過ごす」ことを指します。

これは、長くて厳しい冬を快適に過ごすための知恵として、古くからデンマークで親しまれてきた暮らし方に由来すると考えられています。

「ヒュッゲ」のキーワードは「共有」と「素」

「ヒュッゲ」を語る上で欠かせないキーワードは、「共有」です。温かい時間の共有、快適な空間の共有、愉快な体験の共有など。
例えば、デンマークでは友人を自宅での食事に招いた際、お客さんもキッチンに入って一緒に食事を準備するところから楽しみます。

また、「素」であることも大切です。デンマークでは、友人を自宅のディナーに招待する時も普段着のままで、普段の食器を使うことが通例です。
テーブルや椅子が足りなければ、窓枠に腰かけてもらいます。気軽に友人や仲間と時間や体験を共有することを喜び、心地よくあたたかな気分になれるのが「ヒュッゲ」という独特な文化なのです。

■日本で「ヒュッゲ」を取り入れるには?

日本でもお金をかけずに気軽に「ヒュッゲ」を取り入れることで、心や生活を豊かにして毎日を心地よく過ごすことが可能です。
北欧流ワークライフデザイナーとして、20年以上も北欧と関わりデンマーク文化に精通している芳子ビューエル氏に、日本での「ヒュッゲ」の取り入れ方について提案していただきました。

◇簡単にできることから始めてみる

まずは気軽にできることから始めてみることで、日々の生活が彩り豊かになり、ほっこりした幸福感を感じられるようになります。
例えば、いつもより時間に余裕がある時にジャムやジュースを手作りしてみる、買ったお惣菜なども使いながら友人を自宅に招いて食事を共にするなどは手軽に実践できます。

また、お気に入りのキャンドルホルダーを見つけて、キャンドルを生活に取り入れることもおすすめです。
キャンドルの暖かな炎の色と、独特な揺らぎが作り出す陰影は癒し効果絶大です。

◇「マイチェア」で「素」になれる時間と空間を確保する

日照時間が短く冬が長いデンマークでは、長い時間を過ごす場所である家が快適であることは何より大切です。
インテリアにおいては、自分が心地よいと思えることを重視し、特に「椅子」にはこだわります。
長い冬の間、室内で過ごすことが多いデンマーク人の多くが「マイチェア」と呼ばれる自分専用の椅子を持っています。

日本でも、自分のお気に入りの居場所である「マイチェア」を取り入れて、こだわって選んだマイチェアで「自分本来の素になれる時間と空間」を大切にする過ごし方は実践可能です。
リビングの一角でも寝室の隅でも、マイチェアを置くことで「自分だけのスペース」が誕生します。
慌ただしい日常生活の中で、自分なりのくつろいだ時間を大切にすることは、日々の生活を潤いのあるものにしてくれます。

◇「ミニマム」な暮らしの効用

コペンハーゲンの家の広さや間取りは、都心のマンションとさほど変わりませんが、室内はシンプルかつミニマムで、すっきりしています。
福祉国家であるデンマークは税金が高いことなどもあり、デンマーク人はモノを買うことには慎重で、家の中は調度品や装飾類が少なく、余計なものはほとんどありません。
それは「余計なものが少ないほど、整理整頓や必要なものを見つけるストレスが少ない」という考え方にも基づいています。

デンマーク人は、決して多くは所有しませんが、自分が大切だと思うものは大切に持ち続けます。
余計なものを抱え込むストレスや他人の評価に左右されることを好まず、自分が好きなものには徹底してこだわり、労力を惜しみません。
毎日の生活や自分の人生において、何が大切なのかを考えたうえで、持つべきもの・重視すべきことをじっくり選択するという生き方を身につけているのです。

デンマーク人の姿勢に学び、身の回りの小さな幸せに目を向け、今持っている大切なものを認識することから「ヒュッゲ」な暮らしの一歩を踏み出すことができます。

■日本で「ヒュッゲ」を体感できるスポット:「cafe alto」と「インテリアショップALTO」

「ヒュッゲ」をテーマに、日本に合わせた形で「皆で一緒体験を共有できる空間」として、2017年初夏、群馬県高崎市に「cafe alto」と「インテリアショップALTO」がオープンしました。

カフェではデンマークのソールフードであるスモーブロー(オープンフェイスサンドイッチ)を楽しむことができ、インテリアショップでは定期的に参加型イベントを開催するなど、日本流「ヒュッゲ」を体感できる場として、北欧文化愛好者からも注目されています。
URL: http://www.alto-star.com/

■日本に「ヒュッゲ」を紹介した第一人者:芳子ビューエル氏について

◇芳子ビューエル(よしこ・びゅーえる) 経歴

北欧流ワークライフデザイナー。北欧輸入の第一人者、通販コンサルタントで3児の母。
高校卒業後にカナダに留学し、カナダ人の男性と結婚。その後帰国し輸入商社である株式会社アペックスを設立。
(2012年にM&Aで東証1部のティーライフと資本提携。現在も取締役社長を務める)

1998年JETROより「ライフスタイルのスペシャリスト」として北欧に派遣され、1999年からアペックス社にてデンマーク寝具の輸入販売をスタート。枕だけでも40万個以上を売り上げ、現在では世界的に有名なデンマークブランド「menu」「DYKON」等、北欧の大手メーカー7社の日本代理店を務めている。

2006年に株式会社アルトを設立し、代表取締役に就任。北欧家具・照明器具の輸入も開始し、高崎の「インテリアショップALTO・cafe alto」にて、北欧にまつわる商品を日本に合わせた形で提案している。
デンマークにゆかりが深く、いち早く「ヒュッゲ」文化を日本に紹介した功労者とも言われている。

最新著書:「世界一幸せな国、北欧デンマークのシンプルで豊かな暮らし」(大和書房)

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